確定申告について

どういう時に確定申告しないといけないですか?

副業として同人活動をしていたり、同人活動の傍ら就職し給与を得ている同人作家さんの場合は、 同人活動に関する収入から経費を差し引いた金額が20万円以上の場合に確定申告が必要となります。

同人活動を生業としている同人作家さんの場合は収入から経費を差し引いた金額から基礎控除38万円、その他の所得控除額を差し引いて計算した税額が配当控除額よりも多い場合に確定申告が必要となります。
少々わかりにくいかもしれませんが、結局のところ所得税を計算して税額が発生するなら確定申告しなければならないということになります。

収入から経費を差し引いた金額って青色申告特別控除後の金額ってこと?

事業所得を計算する場合、収入から経費を差し引いた金額から青色申告特別控除額を控除することになりますが、青色申告特別控除の適用を受けるには確定申告することが要件となっているので、 確定申告する必要を判定する場合は青色申告等別控除は考えずに判定してください。

青色申告に切り替えるための届出はいつまでに提出しなければならない?

青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までに提出しなければなりません。
※例えばX4年度確定申告(X5年3月15日申告期限)を青色申告で行う場合はX4年3月15日までに提出する必要があります。
ただし、その年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合に、初年度から青色申告書による申告をしようとする場合には、その事業開始等の日から2月以内に提出することとなっています。

事業所得が赤字なら給与から天引きされた源泉が返ってくるって聞いたけど?

事業所得の赤字は給与所得と損益通算することができます。
その結果、所得税額が給与から天引きされた源泉所得税額より少なくなると確定申告をすることでその差額が返ってきます。
ただし、同人活動により得た収入は『雑所得』か『事業所得』のいずれかに該当することとなりますが、行っている同人活動が『事業』に該当しなければ『雑所得』となり、この場合は赤字が出ても給与所得との損益通算はできません。
同人活動の赤字なら全て給与所得と損益通算できて還付になる・・・という風に考えるのは危険です。

じゃぁ、同人活動が事業として認められるケースって?

所得税法上の事業所得を生む「事業」に該当するかどうかは、その経済活動が「独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ、 反復継続して営まれる業務であって、社会通念上事業と認められるかどうかにより判断すべき」とされています。
同人活動が「事業」に該当するための具体的な規模等は示されていないため、個別に判断されることになります。
事業として活動していると認められるには、例えば、継続的な収入があること、事業用に独立したスペースを設けていること、専用設備の設置など、客観的に見ても事業をしていると判断される要素が必要です。

平均課税を利用すると税金が安くなるって聞いたけど?

クリエイターなど、急に収入が増えたり減ったりするような職業の方の場合、毎年一定の所得がある人に比べ税負担が大きくなる事があるため、そのような方のために税負担を軽減する平均課税という制度があります。
しかし、一般的に同人誌の販売収入については平均課税制度を適用することはできません。
同人作品はいわゆる自費出版の形態であることが多いため、その収入は平均課税制度の適用対象となる印税や原稿料といった変動所得ではないからです。
ただし、同人活動の他、商業誌などに作品を載せている場合などには適用の余地はあるため、その判断も含めて税理士に相談してみるとよいでしょう。

何か税負担を軽くする方法ない?

小規模企業共済の活用や、文美国保への加入などがあります。
小規模企業共済とは、個人事業主や会社役員などが事業をやめたときに支払う退職金を毎月積み立てておく制度です。
積立金の支出額は全額が所得控除となり毎年の税負担を抑えることができ、共済金を受取った時には退職所得として税負担が少なくなる優遇措置が取られます。(※受取方法により所得区分が異なることがあります。)

文美国保(文芸美術国民健康保険組合)とは業界ごとに組織される組合が運営する国民健康保険組合の一つです。 所得に関係なく一律の保険料となっているため、所得の多い人ほど社会保険料の負担を軽減することができます。
ただし、国保組合に加入するには、各組合に加盟している団体に所属している必要があります。
文美国保についても日本イラストレーター協会などの文美国保組合に加盟している団体に所属している必要があります。
また、国保組合の場合は被扶養者の保険料負担が割と大きいので、収入の少ないお子さんがいる場合などは国民健康保険の方が安くつくこともあります。